2015年 08月 15日
オルゴールの修理 3 |
久しぶりにオルゴールの修理のお話です。
あるホテルからオルゴールの修理の依頼がありました。そのオルゴールはホテルのロビーに置かれていたのですが「音は出るけれども劣化や痛みが気になる。」との事でした。
ドイツのポリフォン社が1900年頃に制作した、ディスクサイズが24 1/2インチの「スタイル105」という大きな素晴らしいオルゴールです。ディスクの直径が約62cmあります。このサイズになると音階の幅が広く演奏時間が長いため曲のアレンジの幅が広がります。
当時のアレンジャーの腕の見せ所です。

かなり長い年月メンテナンスをしていないとのことで、本体ケースの背板に大きくヒビが入っています。
ディスクキャビネットの向かって左上の角と右下の角も大きく開いてしまっていました。


ケース以外でも機械部分や櫛、ベッドプレートの汚れもかなり進んでいました。
ベッドプレートの金色の塗装は、見た目の美しさもありますが金属保護の目的でも必要です。


しかし、外観上一番気になったのが4本の櫛歯に見られる傷でした。
下から3番目、5番目、8番目、10番目の櫛歯です。

オルゴールをお預かりして詳しく調べていくと思った以上に修理が必要でした。
一番気になっていた櫛歯は4本とも一度折れてしまったものを過去にどこかで修理してあったのですが、折れた歯の先をただ付けただけで本来の音が全く出ていない状態でした。これでは修理とはいえません
更に、ダンパーは数多く折れていたり無かったりしていました。
これでは澄んだ心地よい音色での演奏はできません。

メカニズムを分解し全てを洗浄し、必要な場合は研磨などの加工を加えます。
今回はメインスプリングも外して広げて洗浄しました。


ケースの修理はヒビの修理の他に小さな欠けや傷などの補修、更には最初に伺ったときは気が付かなかったのですが、ディスクキャビネットの天板の下の両サイドに付いている長いモールの1つが無かったので制作して取り付けました。


綺麗な姿と美しい音色を取り戻したオルゴールは今、誇らしげにホテルのロビーに立って毎日お客様をお迎えしその演奏で心を和ませて差し上げ、そしてお見送りしています。
あるホテルからオルゴールの修理の依頼がありました。そのオルゴールはホテルのロビーに置かれていたのですが「音は出るけれども劣化や痛みが気になる。」との事でした。
ドイツのポリフォン社が1900年頃に制作した、ディスクサイズが24 1/2インチの「スタイル105」という大きな素晴らしいオルゴールです。ディスクの直径が約62cmあります。このサイズになると音階の幅が広く演奏時間が長いため曲のアレンジの幅が広がります。
当時のアレンジャーの腕の見せ所です。

かなり長い年月メンテナンスをしていないとのことで、本体ケースの背板に大きくヒビが入っています。

ディスクキャビネットの向かって左上の角と右下の角も大きく開いてしまっていました。


ケース以外でも機械部分や櫛、ベッドプレートの汚れもかなり進んでいました。
ベッドプレートの金色の塗装は、見た目の美しさもありますが金属保護の目的でも必要です。


しかし、外観上一番気になったのが4本の櫛歯に見られる傷でした。
下から3番目、5番目、8番目、10番目の櫛歯です。

オルゴールをお預かりして詳しく調べていくと思った以上に修理が必要でした。
一番気になっていた櫛歯は4本とも一度折れてしまったものを過去にどこかで修理してあったのですが、折れた歯の先をただ付けただけで本来の音が全く出ていない状態でした。これでは修理とはいえません
更に、ダンパーは数多く折れていたり無かったりしていました。
これでは澄んだ心地よい音色での演奏はできません。

メカニズムを分解し全てを洗浄し、必要な場合は研磨などの加工を加えます。
今回はメインスプリングも外して広げて洗浄しました。


ケースの修理はヒビの修理の他に小さな欠けや傷などの補修、更には最初に伺ったときは気が付かなかったのですが、ディスクキャビネットの天板の下の両サイドに付いている長いモールの1つが無かったので制作して取り付けました。


綺麗な姿と美しい音色を取り戻したオルゴールは今、誇らしげにホテルのロビーに立って毎日お客様をお迎えしその演奏で心を和ませて差し上げ、そしてお見送りしています。

by kenthouse
| 2015-08-15 20:00
| アンティークオルゴール